大手のキャリアのスマートフォンよりも、格安SIMを利用した方が、毎月の使用料が安くなるということを知っているものの、いまいちどのようなものなのか分からないという方も多いと思います。
そこで、ここでは格安SIMに切り替えるために覚えておきたい知識や、格安SIM選びのポイントなどについてご紹介していきます。格安SIMの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
格安SIMに関連するキーワードをチェック!
格安SIMに乗り換えることを考えているのであれば、次にご紹介するキーワードについて、知っておくことが大切です。「SIM」、「格安SIM」、「MVNO」、「SIMロック」、「SIMフリー」などの言葉です。これらの言葉について、まだ理解しきれていない方は、こちらの記事を参考にして、覚えておくようにしましょう。
格安SIMってなに?
そもそも格安SIMとはどのような意味なのか、ご存知でしょうか。流行りの言葉ではあるものの、その内容について、説明するとなると、できない人も多いと思います。
SIMというのは、私たちが普段利用しているスマホやタブレットなどに挿入されているICカードのことを指しています。SIMカードがあるおかげで、インターネットを利用することができますし、どのような通信プランで契約しているのかといった個人情報を確認することができるようになっているのです。従来であれば、大手キャリアのスマホに入っているSIMカードをそのまま使用していることが多かったのですが、最近では、格安料金でSIMカードを利用することができるようになりました。そうして登場したのが格安SIMです。
格安SIMでよく聞くMVNOってなに?
格安SIMの話題になると、いつも出てくるワードとしてMVNOという言葉があります。MVNOはMobile Virtual Network Operatorの略で、格安SIMのサービスを提供している企業のことを意味しています。大手キャリアの通信回線を借りることによって、格安料金でサービスを提供することができています。
SIMロックとは?SIMフリーとの違いは?
SIMロックとは何かというと、大手のキャリアが売り出しているスマホがかけているロックのことです。他の会社のSIMカードを利用できないようにするために、SIMカードにロックをかけているのです。ただ、SIMロックを解除できる条件を満たしていたり、SIMロック解除に対応している機種であれば、自由にSIMロックを解除することができます。もちろん、その際は、手続きが必要になる場合もあるため、注意して行う必要があります。
一方、SIMフリーとは何かというと、SIMロックがかけられていない端末のことです。特にSIMロックを解除する必要がないため、格安SIMに切り替えようと思ったときには、その機種に対応さえしていれば、どんなSIMカードでも利用することができるようになっています。
格安SIMが格安なのはどうして?
スマホ料金を節約するのであれば、格安SIMがよいということは聞いたことがあるでしょう。しかし、どうして、格安SIMの場合は格安料金でスマホやタブレットを利用することができるのでしょうか。その理由について解説していきます。
大手のキャリアの通信回線を利用しているから
格安SIMを提供している会社は、auやドコモ、ソフトバンクといった大手のキャリアの通信回線を借りることによって、消費者にインターネットサービスを提供することができています。その場合、大手が請け負っている費用よりも安い料金で提供することができるため、料金を安く済ませることができるのです。
実店舗を持っていないから
格安SIMを提供している会社のほとんどが、実際の店舗を持っていません。インターネットのみで商品やサービスを販売しています。そのため、経費を削減することができ、サービスを提供するための料金も抑えることができるのです。
端末を購入する必要がないから
スマホを購入したり、機種を変更したりするときには、多くの場合、端末を一緒に購入するようになっていると思います。そのため、携帯の利用料金に追加して、端末代も上乗せされており、料金が高くなっているのです。
しかし、格安SIMの場合は、今利用しているスマホをそのまま利用しながら、格安SIMに切り替えることができます。また、端末とセットでの販売も行われているため、大手のキャリアでスマホを購入するよりも、安い料金に抑えることができるのです。
必要最低限のプランで契約することができるから
格安SIMと大手キャリアでは、契約する際の料金プランの基準が異なります。大手のキャリアであれば、通話料金を基準としてプランが分けられていることが多いです。しかし、格安SIMを提供している会社の多くは、データ通信量を基準に料金プランを分類しています。そのため、その人その人に合った料金プランを提供することができるようになっているのです。電話料金と通信量の兼ね合いによる悩み解消にも繋がり、自分が必要なサービスが最低限用意されているプランで契約をすることができるので、格安料金に抑えることができるのです。
格安SIMを利用するメリットとは?
大手のキャリアから、格安SIMに切り替えることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
月々のスマホ料金が安くなる
格安SIMという名前の通り、料金が安くなるというメリットがあります。大手のキャリアの場合は月々のスマホ利用料金がケースにはよりますが、7,000円以上かかることも多いです。しかし、格安SIMを利用することで、月々の支払いを3,000円以内に抑えることもできます。毎月の支払い料金が1/2、1/3くらいに節約することができるのが、格安SIMに切り替える最大のメリットと言っても過言ではないでしょう。
契約期間が短くて済む
一般的なスマホの契約期間は2年に設定されているところがほとんどです。万が一、2年以内に解約するとなると、違約金を支払うことになる可能性もあります。
しかし、格安SIMの契約期間の縛りは2年もありません。なかには縛りそのものがない所もあります。多くのMVNOでは、期間が短くなっていて、そもそも最低利用期間を設けていなかったり、違約金を支払う必要がないようなところもあるようです。
大手キャリアも違約金自体を2019年10月1日より最大1,000円以下にするのが望ましいと、総務省よりお達しがあったせいもあり、格安SIMでも値下げや廃止の傾向があります。
格安SIMの種類によって、最低利用期間や違約金は異なります。種類による違いを把握しておきましょう。
格安SIMの種類は、3種類あります。データ通信のみを行うことができる「データSIM」、データ通信とSMSのショートメッセージを利用できる「データSIM+SMS」、音声通話とデータ通信を行うことができる「音声通話SIM」です。
データ通信のみを行うことができる「データSIM」の場合は、最低利用期間・違約金を設けていないMVNOがほとんどです。
格安SIMを利用するデメリットは?
大手のキャリアではなく、格安SIMを利用することには、どのようなデメリットがあるのでしょうか。それぞれ確認しておきましょう。
手間がかかる
大手のキャリアから、格安SIMに切り替えるときにデメリットとなる大きなポイントは、手間がかかるということです。契約会社の変更に当たって、ナンバーポータビリティを利用したり、初期設定に時間を掛けたりする必要があるため、慣れていない人にとっては手間になります。
当然メーカーとしては顧客を逃したくありませんから、この手、あの手と引き留めようとするのも人情ですから、腰を据えてやる必要があります。
ただ、そのような手間が嫌な人のためにMVNOによっては、サポートサービスを設けていたり、出張サービスのようなものも設けていたりします。同封されている説明書を読んでも理解できないところがあれば、そのようなサポートサービスを活用するとよいでしょう。
電話でのサポートや、インターネット上にQ&Aなども記載されているため、サポートは充実しています。そして最初の手間さえ乗り越えてしまえば、格安料金に節約することができるので、頑張って下さい。
大手キャリアよりも劣る点がある?
格安SIMを利用した場合と、大手のキャリアを利用した場合とでは、スペック的に格安SIMの方が劣るといわれていることもあります。以下で、どのような点で劣ると言われているのか、実際のところはどうなのかについて検証していきたいと思います。
よく比較される点としては、次の3点があります。「通信速度」、「通話料金」、「メールアドレス」、それぞれについて解説していきます。
「通信速度」
格安SIMの場合は、大手のキャリアと比較すると多少通信速度が遅くなるといわれることがあります。動画の視聴時間が長いような人は、通信速度が早いところで契約するようにしましょう。ただ、近くにWi-Fi環境が整っている場所がある方は、そこを利用することで、特に通信速度については気にせず利用することもできます。
通信が集中しやすい時間は通信速度が落ちる傾向がありますが、中にはそれなりの速度が出るのものありますのでよく吟味するといいかもしれません。
「通話料金」
格安SIMを利用する方の中で、音声通話を利用する機会が多い方や、通話時間が長くなりがちだという方は、大手のキャリアの方が安くなることもあるでしょう。
格安SIMで通話料金を安く済ませる方法としては、5分間かけ放題、10分間かけ放題といったプランで契約する、もしくはLINEなどの無料通話機能を利用することをおすすめします。090、080から始まる番号を利用せざるを得ない方は通話料金がかさんでしまうこともあるかもしれませんが、対策方法はいろいろとあるため、MVNOの担当者に相談してみるとよいでしょう。
「メールアドレス」
格安SIMに切り替えてしまうと、大手のキャリアのメールアドレスが使用できなくなります。@ezweb.ne.jpや、@softbank.ne.jpなどといったキャリアのメールアドレスが使えなくなることも覚えておくようにしましょう。
では、格安SIMを利用している人は、メールのやりとりをしていないのかというと、そんなことはありません。Gmailや、yahooなどのメールを利用しています。こちらの場合は、スマホでもインターネットでもメールを確認したり、返信したりすることができるため、便利です。メールアドレスをこのようなフリーメールに切り替えるタイミングとして活用してみるのもよいかもしれません。
格安SIMの購入に必要な初期費用は?
格安SIMに切り替える際にかかる初期費用がどれくらいになるのかをご紹介していきます。
初期費用の目安として抑えておきたい金額は以下の通りになっています。
価格は税抜き価格となっています。
契約事務手数料は約3,000円、MNP(ナンバーポータビリティ)転出手数料が約3,000円、解約手数料は約9,500円となっています。(2019年10月1日以降は1,000円の所もありますが、旧契約が有効な場合もありますので、よく確認した方が良いです。)
端末料金に関しては、今利用しているものをそのまま利用するのであれば、特に費用は掛かりません。しかし、新しく購入する場合は費用がかかるので覚えておきましょう。
購入に適切なタイミングってある?
人によっては、格安SIMに切り替えるタイミングを見計らっている人もいるかもしれません。どのようなタイミングで切り替えるのがおすすめなのでしょうか。
一般的には解約手数料がかからない月がお得だと思われています。もちろん、それもそうなのですが、更新までに1年以上ある場合は月々の支払い料金が1,000円以上安くなることが明確であれば、今のうちに替えておいた方がお得だということになります。そのため、
一概にいつがベストなタイミングだとは言い切れないものなのです。
更新までの期間が長くて、月々の支払い料金の差を計算したところ、今かえた方が安くなるのであれば、すぐに切り替えてしまうことをおすすめします。
格安SIMを選ぶ時のポイントとは?
最近は、格安SIMがブームのようになっていて、MVNOも多数登場してきています。そのため、自分がどのMVNOの格安SIMを選んだら良いのか分からずに悩んでしまう人も多いものです。どのようなポイントから選ぶべきかポイントをまとめてみました。
利用できるサービスから種類を選ぶ
格安SIMには3種類あります。データ通信のみを行うことができるもの、データ通信とSMSを利用できるもの、データ通信とSMSと音声通話を利用できるものです。これらの中から自分にとって必要なサービスは何かを考えて、どの格安SIMが合っているのかを考えてみてください。
データ容量から選ぶ
自分にとって、どの種類のSIMカードが合っているのかが明確になったら、通信データ容量を考えましょう。格安SIMの料金プランは、データ容量によって分けられている場合もあるため、ご自身がどれくらいデータ容量を必要とするのかを計算して、そこから選ぶようにしましょう。
通信速度から選ぶ
スマホの使いやすさを決めるものの一つとして、通信速度があります。目安としては750Mbpsが大手のキャリアと同等の通信速度となります。この数字を覚えておくとよいでしょう。
格安SIMの購入の流れを解説
実際に格安SIMを購入する場合、どのような流れになるのかを、ここで確認しておきましょう。
まずは、端末を決めます。今利用している端末をそのまま使い続けるのか、新しく購入するのかを確定します。
次に格安SIMのプランを選びます。端末ごとに、その格安SIMが対応しているかどうかが異なるため、確認しておくように注意して下さい。
申し込みへと移ります。格安SIMの公式ページに飛んで、申し込み手続きを済ませます。必要事項を記入して、指示に従って手続きを完了させましょう。
最後に開通作業となります。説明書を参考にしながら初期設定などを行います。もしも分からないことがあれば、電話やインターネット上で質問したり、確認したりすることができます。MVNOによっては訪問サービスも行っているため、安心して作業を任せることもできます。
まとめ
ここまで格安SIMについて、選び方などのポイントを細かくまとめてきました。格安SIMは、切り替えるだけで節約になります。手間はかかりますが、サポートサービスを利用して、簡単に手続きを済ませることもできます。大手のキャリアを利用している方は、ぜひ切り替えてみてください。
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